慶應通信学習記録ー経済学部普通課程69期秋ー

慶應義塾大学経済学部通信課程に69期秋入学しました。(普通課程)

レポートの書き方について教わったこと

こんばんは。

今日は慶早戦もさることながら、秋入学の皆さんの入学オリエンテーションが三田で開催されたということで、参加された方も多いと思います。

で、同時に最近のTwitter上では、レポートの書き方に戸惑う方の声もちらほら…

そこで、オリエンでも説明はあったかと思いますが、講師派遣等々で教員の先生方に伺ったレポートの書き方の中でも、参考文献の選び方・探し方・読み方、レポートの文字数についてまとめてみたいと思います。

【参考文献の選び方】

テキストだけではダメ、参考文献を必ず使いなさいというお話は、必ず各所でありますが、じゃあ実際どんなものを使って書けばいいの?というお話。

まず、参考文献として絶対に外すように言われるのが「ビジネス書」です。本屋さんのビジネス書コーナーに平積みされている「これであなたも決算書が読める!」とか、「1日3分で分かる経済学!」みたいなヤツですね。
なんでこいつらが(レポート作成という意味において)ダメかと言うと、「中身の確からしさは誰が保証しているの?」という点。論理的に破綻しているかどうかすら誰も確認していない(ことが多い)書物なので、
この延長線上にあるのがWikipedia。どこの誰が書いたか分かんないという点では、一般書籍よりも怪しいシロモノですから当然却下。ただし、Wikipediaに関しては、全く使えないかというとそうでもないのですが、それについては後ほど。

じゃあ、何がベストなのかというと、やはり「学術論文」が一番、次いで「大学教員が執筆した学術書」となるそうです。
まず、学術論文については、その多くが出版前に「査読」というプロセスを経由します。そこで、少なくとも「先行研究を踏まえているか」「論理的に破綻していないか」ということを第三者がチェックするので、信頼はおけるということです。
で、学術書についても、出版過程で査読に近いチェックが入ったり、そもそも発表済みの学術論文をまとめたものも多いので、ある程度は信頼して良いということです。

では、これらの文献をどうやって見つけるかというと…

【参考文献の探し方】

どこのWebサイトで探せるとかいう話は置いておいて、そもそも学術論文の題目とか学術書のタイトルをどうやって見つけるんだというお話。

ここではじめのとっかかりになるのが、テキストとテキスト科目履修要領に列挙されている参考文献です。これらは、基本的に担当教員が伝えたいことがまとめられているものである(はず)ので、これらをスルーするという話はあり得ません。

で、これらの文献を入手したら、おもむろに後ろの方のページを開きます。すると、必ず「参考文献リスト」がついているはずです。逆にいうと、参考文献リストがついていない文献は、その時点で使えないと判断して大丈夫です。

ここを見ることで、いわば「参考文献の参考文献」が分かるわけです。そして後は、レポート課題に応じたトピックで参照されている文献を抜き出し、それらに手を伸ばしていくことで、対象となる参考文献の量は飛躍的に増加します。

さらに、「参考文献の参考文献」探しをしていると、「複数の文献が参照している特定の文献」といったものが必ず見つかります。その文献は確実に押さえるようにしてください。
理由は簡単で、いろんな人が参照している文献ということはその分野において重要な文献であると考えられるわけで、そのような基本文献を参照しないという話もこれまたあり得ません。

その他の文献探しテクニックも2つほど挙げておきます。いずれもネットを活用した小技。

まず1点目ですが、例えば「上級財と下級財について説明せよ」というようなレポート課題が出たとします。そのときにはおもむろにGoogleを開き、検索窓に「上級財 下級財 ac.jp PDF」と入力します。ポイントは後半の「ac.jp PDF」。
すると、論文だったり講義資料だったりのPDFがバンバン出てきます。なぜならば、先ほどの検索は、上級財または下級財というキーワードが含まれる「PDF」を「大学のサイトから」検索するように指示しているからです。こうすることによって、レポートにそのまま使えそうな論文だったり、授業を受けている学生が見ているレジュメなんかが拾えるというわけ。
ただし、資料の作成日には注意してください。古すぎるものがヒットすることもあります。

で、2点目ですが、Wikipediaを使った文献探しです。
「Wikipediaはアカン言うたやんけ!」という声もあるかと思いますが、Wikipediaの記述をそのまま信用しないという点はブレません。
じゃあどこを見るかというと、記事の最後の方についている「参考文献」とか「脚注」の欄。
記事の中身はともかくとして、そこに何かしらの論文やら書籍名が書いてあるということは、どこかの誰かがその本を読んで記事をまとめたということ。
であるならば、とりあえずはそれらの文献を読んでみると、何かしらのヒントが得られることと思います。

【参考文献の読み方】

このようにして集めた参考文献ですが、学術書なんていうものは大概分厚く、個人的な経験では1,000ページ超のものもありました。こんなもん、全部読んで理解することなんて到底不可能。

ということで、参考文献は「課題に関係するところだけ」読めばOKです。
もちろん、テーマによっては最初から順を追って読まないと理解できない場合もありますが、逆に「1行だけ使える」というものも多数あります。であれば、その1行だけ持ってくれば、その文献はそれ以上読まなくてOKということ。

無論、個人の興味で読み進めるのであれば、どんどん読むべきですが、ことレポート作成という観点においては、全部読む必要は全くありません。
ある先生は「参考文献全部読むなんて愚かだ」とまで言い放ちましたから…

【文字数制限って】

最後に文字数制限のお話。こればっかりは何年経っても良く分からないところが多いのですが、何人かのレポート添削を担当されている先生に、講師派遣やスクで質問したところ、皆さん口をそろえて「気にしてない」とおっしゃっておられました。

じゃあ好き放題してイイかというとそういう意味では無く、先生方の意図としては、「必要なことを書けば、文字数は自ずから決まってくる。ゆえに文字数に収めるという作業は必要なものを削る可能性がある」ということ。
そして、もう一つ「必要なことを書けば、文字数が決まるということは、長く書こうとしても書けない」ということ。

なので、あまりに少なすぎたり、長すぎたりということが無ければ、無理に4,000字にこだわる必要はありません。勉強した結果、いっぱい書かないと論じきれないというテーマであれば6,000字でも8,000字でも書くべきですし、どうしても3,500字しか書けないということであれば、3,500字で結構。
あとは、添削する先生方が過不足無く書けているかどうか判断してくださいますので、学生側はそんなにこだわらなくても良いかと。
もし不十分ならアレ書け、コレ書けでレポートは勝手に膨れ上がっていきます。
(個人的には某科目の再々レポで、追記しろというコメントに全て対応した結果、12,000字まで膨れ上がったことがあります。)

ただし、例えば、2単位科目(4,000字)なのに1,500字しか書いてなければ、これは誰が見ても不十分ですし、逆に4,000字のところを20,000字書いたら、これもまとめ上げることができない=理解してないということになります。
要は常識的な範囲で…ということですね。

あと、レポート課題に「○○字以内」と書かれている場合は話は別で、その制限は厳守してください。それは、先生が「この文字数以内で書ける」と意思表示していることに等しいですから、それを守れない=理解できていないとなります。

ちなみに経済学部の専門科目には、○○字『以上』ってパターンもあります。

 

ということで、この記事も、ボクが書くべきと判断したことを全部書いたら、3,000字を軽くオーバーしました。
これが長すぎるかどうかは、添削者たる皆さまにご判断いただければと思いますw

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