慶應通信学習記録ー経済学部普通課程69期秋ー

慶應義塾大学経済学部通信課程に69期秋入学しました。(普通課程)

"そろそろ総合教育科目について語ろうか"(手動リブログ?)その2

続き~

 

(3)スクーリング

 スクーリングについても、普通課程生のハードルを上げる事実が存在する。

 慶應通信で要求されるスクーリング要件は、「学士:15単位、普通:30単位」である。この要件を最低在籍年数で割ると、1年間に要求されるスク単位は「学士:6単位、普通:8単位」となる。

 この値のみを見ると1コマの違いとなり、それほどの差とは思えないが、メディアスクを考慮に入れると、その様相は一変する。

 メディアスク(Eスク、放送)は、課程にかかわらず「10単位」を上限にスク単位に参入することができる。これを考慮すると、「通学して取得すべきスク単位」は、「学士:5単位、普通:20単位」となる。

 これを在籍年数で割ると、学士は1年当たり3単位、すなわち、夏スク1期のみの参加でも最短卒業を目指すことが可能となり、スクに伴う費用負担が軽減される。

 これに対し、普通課程は1年当たり5単位となり、夏スク1期のみの参加では、最低在籍年数以内に充足することができない。さらに、ここに「英語2単位をスクで取得すること」という制限が、さらに困難に拍車をかける。

 というのも、英語スクには「1期間あたり1単位まで」という制限が存在する。すなわち、夏スク1期のみの参加を考えたとき、「最初2年はスクでは計6単位まで」となり、
残り14単位を取得するためには4年必要、すなわち、事実上の最低在籍年数が「6年」になってしまう事態が生じ、最短卒業を目指すためには週末・夜間スクの併用が必須と
ならざるを得ないのである。てか、大学側が「最短卒業とか無理ゲー」と思ってるのではなかろうか?

 ちなみに、本論の趣旨からは少々外れるが、「大阪以外の地方に在住する普通課程生」の場合、より事態は深刻である。

 科目の選択を度外視した場合、関東在住者は理論上、週末スクと夜間スクで「1年当たり最大12単位」の取得を目指すことができるが、地方在住者はせいぜい、週末スク2単位と夜間スク1日2単位が限度であろう。すなわち、8単位の取得可能単位数の差が出るのである。

 こういった観点から見た場合、慶應はやはり東京の大学なのであろう…

 

3.コスト

 コストについては、結論から言うと「考えようによっては普通課程のほうがお得」といえよう。

 まず、ここでは「慶應の学士号を入手するために要する授業料・手数料」をコストと定義し、書籍代、交通費、切手代、飲み代は除外するものとする。

 学士と普通で要する費用を以下の表にまとめた。(注2)

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 この表が示すとおり、学士入学者のほうが最短卒業時に要する費用は小さくなっており、一見すると「学士のほうが得じゃん!」となる。

 しかし、この表はあくまでも「慶應通信入学後に、『慶應義塾に対して』支払うべき金額」をまとめたものである。

 学士入学者とは、そもそも「大学に通っていた」から学士入学しているのであり、この費用も含めて考えないと、「慶應通信を卒業して慶應の学士号を得るまで」の比較を行う場合には、不整合が生じる。てか、それがなかったら普通課程なわけなんですしおすし。

 というわけで、昔の学費も含めて考える。文部科学省の調査(注3)によると、私立大学の初年度納付金は約130万円、うち授業料は80万円ほど。4年で卒業したと考えた場合には、おおよそ300万円程度の費用が必要となる計算である。

 となると、338万vs61万。普通課程生のほうが圧倒的に「お安い価格で慶應の学士号ゲット」となるのである。牽強付会という批判は見なかったことにする。

 

4.やりがい

 実はここが最も大きな違いかもしれない。以下、少々演説調エッセイ風に述べる。

(1)愛校心

 以前、KBSセンパイの記事で「母校とは何ぞや?」という問題提起がなされていた(注4)が、普通課程生の場合は、人による感じ方の多少はあれど、一般的には「慶應義塾大学出身です!」といって差し支えなかろう。

 翻って学士入学者の場合。彼らは、慶應出身者でない限りは母校を2つ有することになる。学歴ロンダリング目的であれば、堂々と「慶應です!」といえようものだが、そのような目的ではなく、純粋に学問を求めてきた人物の場合は、そこに少々の葛藤が生まれる余地があろうと推察される。六大学野球でどっちの応援席に座ろうかとか。

 更に言うと、もっと極端に前の母校を愛されておられる方を何人も筆者は知っている。

 もしかすると、こんなこと考えておられない分だけ、より「やりがい」は得られているのかもしれないが。

 

(2)達成感とか新鮮味

 これについても、普通課程生の圧勝である。

 普通課程生は、まさに「ゼロ」から単位を積み上げ、初めての大学に感動し、苦闘し、晴れて「慶應義塾大学」を自らの母校として巣立つことができるわけである。

 それに対し、学士入学者は純粋に学問を求めてきた(と思われる)分だけ、「大学そのもの」に対する感動とか新鮮さはやはり少ないと見るのが妥当であろう。

 初めての慶應、priceless。お金では買えないものがある。

 

4.結論

 長くなったし、いいかげん試験勉強にも移らないといけないので、論証はここで終わりたい。

 考察を通じて得られた結論として…

 普通課程バンザイ!

 

参考文献

 注1:「データで見る慶應通信」慶應義塾大学通信教育課程webサイト(http://www.tsushin.keio.ac.jp/about/data.html)

 注2:「塾生ガイド2016」p.38 慶應義塾大学通信教育課程

 注3:「私立大学等の平成25年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」文部科学省webサイト(http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/1346053.htm

)

 注4:「かぼす、慶應通信68期秋、文3普通。」直リンは避ける。

 その他、「塾生ガイド2016」の記述を全般的に参照している。

 

 

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